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3. パッケージの選択

3.1 NIS か、それとも NIS+ か?

どちらを選ぶか悩む必要はありません。 特にセキュリティに過敏になる必要が なかったり、NIS+ を使わねばならない特別な理由がない限り、NIS を使いましょ う。 NIS+ の管理はずっと大変です(クライアント側ではそれほどでもあ りませんが、サーバー管理は地獄です)。それに Linux 上での NIS+ はまだ開 発段階で、データの暗号化や認証の機能がまだサポートされていないのです(こ れらは NIS+の大きなメリットなんですけど…)。

3.2 trad-NIS か、それとも NYS ライブラリか?

trad-NIS を用いるか NYS ライブラリの NIS コードを用いるかは、 「低機能だが安定」をとるか「柔軟だが冒険」をとるかの選択と言えます。

trad-NIS のコードは標準 C ライブラリに入ってからだいぶ経ってい ます。生まれが古い分、やや柔軟性に欠けるところがあります。

一方 NYS ライブラリの NIS コードを用いるには、すべてのプログラムを再コン パイル・リンクして libnsl ライブラリを用いるようにするか、 libc ライブラリを再コンパイルして libnsl のコードを libc の中に含め るかする必要があります(既にそのようにコンパイルされた libc ライブラリを 入手できるかもしれません)。

訳注: Red Hat Linux の libc は nys 機能( libnsl のコード) を含んだものになっているそうです。従って NIS クライアントになるために ypbind は必要なく、 /etc/yp.conf/etc/nsswitch.conf など(NIS+ クライアントになる場合は /etc/nis.conf も)を設定するだけです。設定方法は NYS を用いた NIS クライアントの設定 の節を参考にしてください。

また trad-NIS のコードでは NIS のネットグループ機能が使えますが、 NYS のコードにはまだ実装されていません。逆に NYS のコードでは Shadow Password を透過的に扱うことができるようになっています。


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