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1. はじめに

この文書はKernel-HOWTOの第0.75版です。あなたはこの文書を読む必要があるでし ょうか?以下のような状態にあるかどうか考えてみてください:

1.1 まずこれを読め!(そういうこと)

この文書の中におけるいくつかの例では,あなたがGNU tarfindおよびxargsを所有していることを前提にしています。これ らは極めて標準的ですので,問題を引き起こすことはまずないでしょう。またあな たが自分のシステムのファイルシステムの構造を把握している,ということも前提 にしています。もし把握できていないのなら,通常のシステム動作の最中にマウン トコマンドが出力したメッセージを書き留めておくことが必須です(あるいは,読 むことができるのなら/etc/fstabのリストが必要です)。この情報は重要 で,ディスクのパーティションを切り直したり,追加したり,システムをインスト ールしなおしたり,その他もろもろをしない限りは変化しません。

最新の「製品版」カーネルバージョンはこれを書いている時点で2.0.10ですので, この文書ではこれを参照したり例として挙げています。できるだけこの文書はバー ジョンに依存しないようにしていますが,カーネルは常に開発されています。新し いリリースを手に入れたら,多少記述と異なる点があることでしょう。繰り返しに なりますが,このことが大きな問題を引き起こすことはありませんが,多少混乱す ることがあるかもしれません。

linux のカーネルソースのバージョンには「製品版」と「開発版」の2つがありま す。製品版のリリースは1.0.x から始まり,現在[2つ目の数字が]偶数のリリー スとなっています。すなわち1.0.x は製品版,1.2.x も製品版,2.0.x も同様に 製品版です。これらのカーネルはリリース時においてもっとも安定,かつバグの ないバージョンと考えられます。開発版カーネル(1.1.x,1.3.xなど)はテスト 用のカーネルであり,新しくてたぶん大変バグの多かろうカーネルをテストした い人々のためのものです。十分注意してください。

1.2 記述スタイル

ABCabcのように見えるテキストは,画面上に現れる文字列や,ファイル名 や,キーボードから入力するコマンドやコマンドオプションなどを表しています(も し単なるテキストファイルを読んでいるのなら,他とは区別がつきません)。コマン ドやその他の入力すべき文字列はよく(` 'で)括られます。が,これは以下のよう な昔からよくある句読点の問題を引き起こします:もしコマンドなどがクォートで括 られた文の最後に来ると,人によってはコマンドに`.' をつけてしまいます。という のはアメリカの引用スタイルではクォーテーションマークの内側にピリオドをつける からです。常識では(残念ながら,ここでいう常識というのは,いわゆるアメリカン スタイルの引用法を想定しています),句読点をまず外すはずですが,多くの人はす ぐに忘れてしまいます。だからわたしはそのような場合にはピリオドをクォーテーシ ョンマークの外側に出します。換言すれば,あなたが``make config''と タイプしなければならない場合は,`make config.'ではなく `make config'と書きます。[本和訳版では以上の記述は関係ありません ね。]


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