この節では、あなたが Linux の標準ブートローダである LILO を使っている ものとしています。
Linux のカーネルは、ブート時にパラメータを受け取ることができます。これ は、ブート時には決められない設定をカーネルに渡すためです。ネットワーク アダプタに関しては、以下のパラメータが認識されます。
ether=<IRQ>,<IO-ADDR>,<PARAM1>,<PARAM2>,<NAME>
数字の指定には、10進数、8進数('0'で始まる数字)、16進数('0x'で始まる
数字)を使うことができます。最初に出た数字以外の引数は、<NAME>
(デバイス名)とみなされます。空白の引数は 0 とされます。省略された引
数は、デフォルトの設定のままになります。
ここには IRQ を書きます。ソフト的に IRQ 指定が可能なカードの場合は、書 いた値に設定されます。ジャンパスイッチなどを使って指定するカードの場合 には、設定した値を書いて下さい。'0' を書くと、カードへIRQ を読みに行き ます。不可能な場合は自動 IRQ を使います。
ここには探索してほしい I/O アドレスをひとつ書きます。ここに '0' を書く と、イーサカードで通常使われるアドレスを全て探索します。
アドレスが探索できるかどうかの判断には、I/O アドレス領域の予約マップを 使います。I/O アドレスを特定した場合には、マップは無視されます。したがっ て、"reserve=" パラメタと組み合わせて使えば、他のデバイスがその領域を 探索しないようにできます。
もともとこれらのパラメタは、共有メモリ型のアダプタ(WD8013など)で、メ モリアドレスを指定するために使われていました。現在は、ドライバ固有のパ ラメタを指定することができるように拡張されています。
カーネルに定義されているデバイス名を入れます。標準的なカーネルでは、
eth0
, eth1
, eth2
, eth3
が定義されています。他のデ
バイス名(PPP
とか SLIP
など)もあるかもしれませんが、それら
は他の用途で用います。
LILO で、これらのブートパラメータをカーネルに渡すには、2つの方法があ ります。ひとつは、ブートイメージの選択のとき、名前に続けて打ち込む方法 です。次の例では、4つのカードを一気に有効にしています。
linux ether=0,0,eth1 ether=0,0,eth2 ether=0,0,eth3
これをブートの度に入力するのは面倒ですし、またこの方法では無人リブート
ができなくなってしまいます。これらのパラメータを常に有効にすることも
できます。それには、LILO のコンフィギュレーションファイル
/etc/lilo.conf
の中で、"append" 行によってパラメータを指定し、
lilo
を実行して変更を有効にします。
append = "ether=0,0,eth1 ether=0,0,eth2 ether=0,0,eth3"